2020年6月24日水曜日

?Achyrolimonia monacantha (Alexander, 1924)

Limoniidae(ヒメガガンボ科)-Limoniinae(ヒメガガンボ亜科)-Achyrolimonia
北海道,本州,四国,九州
ロシア沿海地方,中国に分布。(昆虫目録 2014 双翅目 第1巻)
日本国内の細かい分布はあまり知らない。

雌の体

雌の頭部

雌の翅

雌の尾部背面

雌の尾部側面



雄の翅(のはず)

雄交尾器背面(未処理)

雄交尾器背面その1(乳酸で処理済み)

雄交尾器背面その2(乳酸で処理済み)

Aedeagus(陰茎)その1

Aedeagus(陰茎)その2

蛹の抜け殻その1

蛹の抜け殻その2

2020/01/05に採集したネンドタケから20個体くらい ?Achyrolimonia monacanthaが出てきました。 2月初旬~中旬辺りにわいわいと。

初めて容器の中をこの子が飛んでいるのを見た時は、びっくりしました。 
当時、キノコ食であるガガンボ類はいるのを知ってはいましたが...。

抜け殻はできる限り回収しました。 比較的大きくて目立つからね。

属までの同定をするときはAfrotropicalのマニュアルや日本産水生昆虫 第二版などを参考にしました。
種の同定はツイッターのパワー
Catalogue of the Craneflies of the World
(Diptera, Tipuloidea: Pediciidae, Limoniidae, Cylindrotomidae, Tipulidae)
のパワーを借りて行いました。(Search→Achyrolimoniaで検索)
合っている...はず。

実は交尾器を処理して外部形態を見やすくして観察したのは初めてです。
(クロバネキノコバエ類のあれを除けば...。)
腹部を切り取ってカップ麺に熱湯入れてその中に乳酸と腹部を入れた試験管的なのを入れて...
思っていたよりも上手く観察することができたのでとてもウレシカッタ!

2020年6月19日金曜日

Chloropidae - Oscinellinae sp.? キモグリバエ科 - ナガミャクキモグリバエ亜科の一種?


全体

かお

頭部と胸部背面その1

頭部と胸部背面その2 小楯板の剛毛は4本

翅その1

翅その2 C脈がわずかにM1脈を超えている


・2020/06/07に採集したアセタケ属?のキノコから出てきたハエさん。かっこいい。
成虫を回収したのは2020/06/18.
体長約2mm

・旧北区のマニュアルのAppendixで属まで同定しようとしたけどよくわからず断念。
図は多数あるのだが...。それでもわからなかった。

亜科もあっているかは正直あまり自信がない。 
検索表を見た感じ肩部に2本の長い強い剛毛ではなく、1本の強い剛毛しか生えていないのがナガミャクキモグリバエ亜科の特徴の一つのようだが ちゃんと認識できていない。
2本の長い強い剛毛が生えているのはSiphonellopsinaeの特徴のようだ.
(そもそもキモグリバエ科じゃなかったらどーしよー)

・日本のキモグリバエ科を全体的に調べる上で重要な文献は
- Systematic Study of the Japanese Chloropidae (Diptera), by Kenkichi Karnmiya, 370 pp. 1983 
- 久留米昆蟲研究會の会誌
--- KORASANA,No.83のキモグリバエ科の属の検索表絵図解説(その1)
--- KORASANA,No.84のキモグリバエ科の属の検索表絵図解説(その2) 
の3つがあるようで。
これらの文献があれば正体を掴めるかもしれないので
手に入れなければ...。

・ちなみに、キモグリバエ科がキノコから出てきたという記録は世にいくつかあるようです。
Ševčík, Jan. 2010. “Czech and Slovak Diptera Associated with Fungi,” の56P
等を見ればわかるゾ。
Gaurax属,Tricimba属など。

2020年6月17日水曜日

ガガンボ科、ヒメ、オビヒメ、シリブト、ダマシ、コシボシ、ニセヒメの違い(てぬき)

ガガンボモドキ(シリアゲムシ目)は除く。

・Ptychopteridae(コシボソガガンボ科)
平均根の基部前方に前平均根と呼ばれる小突起を持つ
A1脈が無い

・Trichoceridae(ガガンボダマシ科)
単眼を持つ(他の科は持たない)
中胸盾板のV字型溝線は中央部で不完全になる(他の科は完全)
A1脈はとても短く、しばしば先端部が強く湾曲して翅の縁に達する

・Pediciidae(オビヒメガガンボ科)
触角は12~17節
Sc脈先端は翅の前縁に達する
複眼は個眼間刺毛で覆われる
sc-r横脈はRs脈の起点より翅の基部側に位置する
小腮髭は5節で短い

・Limoniidae(ヒメガガンボ科)
触角は13~16節
Sc脈先端は翅の前縁に達する
複眼は無毛
sc-r横脈は通常はSc脈の先端近くに位置する
小腮髭は5節で短い

・Tipulidae(ガガンボ科)
触角は12~14節
Sc脈先端は後方に曲がりR1脈上に終わる
複眼は無毛
小腮髭は5節で末端の節は他の4節を合わせた長さより長い
口吻の先端に鼻状突起を持つ(Dolichopeza属は欠く,他の科も欠く)

・Cylindrotomidae(シリブトガガンボ科)
触角は16節
Sc脈先端はsc-r横脈の直後で消失する
小腮髭は5節で末端の節は他の4節を合わせた長さより短い

・Tanyderidae(ニセヒメガガンボ科)
触角は16節
A1脈が弱く、翅の縁に達しない
R脈が5本に分岐していずれも独立に翅の縁に達している

以上.

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・参考
日本産水生昆虫 第二版: 科・属・種への検索 2018
新訂 原色昆虫大図鑑 第 III 巻 2008

2020年6月16日火曜日

Genus Dolichopeza Curtis, 1825

Tipuloidea-Tipulidae-Dolichopezinae-Dolichopeza
ガガンボ上科-ガガンボ科-ユウレイガガンボ亜科-Dolichopeza

2014年時点で日本では14種記録されている。日本で記録のある亜属は3つ。
Subgenus Dolichopeza Curtis, 1825
Subgenus Nesopeza Alexander, 1914
Subgenus Oropeza Needham, 1908

世界ではたくさんの種類が記録されているらしい。
Catalogue of the Craneflies of the Worldで検索するとたくさん出てくる。 やばい。

◆生態とか(だいだい(Byers, 1961)から)
・北アメリカでは5月~7月辺りが旬?
・日本も5月~7月辺りが旬かも?
・日中は日陰で地表から近いところで樹木の幹とか草とか石とかで前脚のみ、あるいは前脚と中脚をひっかけてぶらーんとして休んでることが多い? 6本の脚全てをひっかけて休む子もいる模様?
・休んでるとき、翅は開いたり閉じてたり。
・日が落ちたら活動す?
・幼虫は蘚苔類を主に食す模様
...etc...

◆敵
・クモにやられることが結構あるらしい?
・他のガガンボ同様、外部寄生をするダニあり。
・ヤドリバエ科の仲間の一部が寄生するらしい
・線虫に寄生された例もあるそうだ
・他、鳥など。

◆目立つ特徴
・脚が長い。白い。 和名が表している通りユウレイのようにひょろっとしている。 
・学名のDolichopezaは長い脚という意味。 
・Dolichoはアシナガバエ科にも使われていますね。 Dolichopodidae.

◆参考になる文献
・Byers, G. W. 1961. “The Crane Fly Genus Dolichopeza in North America.” The University of Kansas Science Bulletin.
→Dolichopezaの卵~成虫まで、様々な情報が盛り沢山。 図も多数。
Dolichopezaを勉強するのであればこの文献は必須だと思われる

・Liu, Qifei, and Ding Yang. 2011. “Four New Species of the Subgenus Sinoropeza Alexander, with a Key to World Species (Diptera, Tipulidae, Dolichopeza).” Zootaxa 2784: 20–32.

・Oosterbroek, P., and V. Lantsov. 2011. “Review of the Western Palaearctic Species of Dolichopeza Curtis (Diptera, Tipulidae).” Tijdschrift Voor Entomologie 154 (2): 269–81.

・Theischinger, G. 1993. “The Australian Species of Dolichopeza CURTIS (Diptera: Tipulidae).”

Glime, Janice M. 2016. “Volume 2, Chapter 12-18: Terrestrial Insects: Holometabola - Diptera Nematocera: Tipuloidea.” 
→ガガンボ科で、地上で生活する幼虫さんや成虫さんのカラー写真がたくさん載ってる。
Dolichopezaの写真もあり。

など。

日本の種をまとめた文献もあるらしい???けど詳細はわからない。

Twitterを封印するとどうなる

◆メリット
・なんだか色々とやる気が出てくる
・やりたいことに使える時間が増える(自由時間が増える)
・精神が爆発しにくくなる?

◆デメリット
・寂しい。
・自分が主に調べている分野以外の最新情報を得にくくなる

2020年6月10日水曜日

Fly Times Issue 64, Spring 2020 出版

北アメリカ双翅学会?が発行しているニュースレター
Fly Timesの64号が出版されました。
このURLからダウンロードできます。 PDFとして。

既刊分は以下のURLに載っています。 
http://www.nadsdiptera.org/News/FlyTimes/Flyhome.htm

そそられる写真がたくさん。
本文はあとで読むとして...。


◆以下に新たにできたサイト等を紹介するゾ。

・Checklist of world Tachinidae (Diptera): an online resourceの更新
世界のヤドリバエ科のカタログが更新されたようです。
このカタログが初めて世に出たのは2007年の模様。

・Manual of Afrotropical Dipteraの新しいサイト
新しいサイトができたようです。 
エチオピア区(アフリカ大陸のサハラ砂漠以南と、アラビア半島南部、イラン南部を占めるエリア)の双翅目のマニュアル。
総説、成虫と幼虫の科までの検索表などが載っている vol.1
長角亜目と短角亜目(一部, アブ科やムシヒキアブ科、オドリバエ科辺り)の内容が載っている vol.2
がPDFで無料でダウンロードできます。
図やカラー写真などがたくさんあってとてもわかりやすいです。

vol.3は2021年、vol.4は2022年発売予定らしい。

・Robber Flies of the World
ムシヒキアブ科のサイト。 まだ色々と作成途中の模様です。

終わり。

レトロフリーク調査メモ

本体サイズ (約) 縦 6.8cm(68.0mm)  横 11.0cm (110.0mm) 高 1.9cm (19.0mm) 熱対策 本体のソフトウェアバージョンがver1.5等、古いバージョンの場合は最新のバージョン(2024/1/5時点でver2.7)にする 初期の頃のバージ...