2019年10月28日月曜日

Allactoneura. spの幼虫と成虫さん





20191020 埼玉県 採集
Allactoneura sp.(シワバネキノコバエ属の一種)の幼虫さんと成虫さん(羽化直後)

朽木の裏側(地面と接している側)に、キノコバエ類の幼虫がいたので持ち帰った。

持ち帰ったのを家で見てみたら、周りに糸を張り巡ら始めた。
この様子を撮った後、冷温庫で18°で、小さめのケース(あとで書くんだ)に入れて保管していた。 次の日見てみたら蛹になっていた。(20191021)
そして...

2019-10-26の午前2時くらいに見たところ、成虫が羽化していた。
が...糸で作成した巣(?)内から出ているわけではなく、翅が伸びきっておらず体もまだ完全に変態し終わっていないという状態で動かなくなっていたので、亡くなったのではないかと思った。

その後...写真を撮ろうとデジタル顕微鏡で詳しく見てみたら...なんと、小顎鬚と腹部が動いているではないか。

顕微鏡でみる前はすぐに標本にしようと思ったのだが、まだ生きているのならばワンチャンスあるのではないかと感じ、小さなケースの蓋を開けたまま大きめの虫かごへ移した。

土日ととある場所へ出かけ、帰ってきたあと見てみたら
小さなケースにはおらず、虫かごの壁にくっついていた。 
羽化成功だー!

と喜んで 記事を書いているところ... 虫かごをまたみてみたら壁にいないではないか。
どうしたのだろうと見てみたら、底で倒れている...  実質土日の間放置されたせいか、羽化は成功したものの生理的には状態はよくなかったせいか わからぬが... このあとすぐ亡くなってしまうであろう。

羽化後飼育しようと思っていたわけではないので亡くなっても困りはしないのだが... なんだか悲しい... ごめんなさい...という感じである...。

持ち帰ったおかげで、幼虫の生態 蛹の形態 成虫の姿(種類 現在は属名までだが。)がわかったのでとてもよかった。 

ありがとう。


             

幼虫が糸を張り巡らせる動画

上から 全体

上から 拡大

角度を変えて。 顔と脚の基部

なんかよくわかんないやつ

顔、前脚の基部を拡大。 立派なまつ毛と小顎鬚。


小顎鬚と腹部が動いています。 すごい。

2019年10月24日木曜日

Sciaroideaの幼虫の主な生態について

○Sciaridae(クロバネキノコバエ科)
・キノコバエという名を冠してはいるが菌類と関係が深いというわけではない不思議なやつら
・土壌のリター層(土壌の中と枯葉や朽木などの堆積物の間の部分的な何か)
・植物の根
・栽培している菌類(シイタケとか...)
・朽木
などでわいわいしている

○Sciaridae以外のSciaroidea(Mycetophilidae,Bolitophilidae,Diadocidiidae,Ditomyiidae,Keroplatidae,Mycetophilidaeなど)
・「Bolitophilidae」全体、「Mycetophilidae」に属す「Mycetophilinae」に属す「Exechiini/Mycetophilini」などは主におっきいキノコの子実体内に住む。
→ハラタケ類、イグチ類、多孔菌類、子嚢菌門に属すチャワンタケ目など多岐に渡るキノコ。

・Diadocidiidae全体、DitomyiidaeのDytomyia属、KeroplatidaeのKeroplatini、MycetophilidaeのMycomyinae/Sciophilinae/Leiinae全体、Gnoristinaeの一部の属(Ectrepeshoneura/Tetragoneura)
→キノコの子実体というか子実層?の表面で生活。糸や粘液を出してシェルターを作ったり胞子を捉えるためのトラップを作ったりする。
胞子食か。
こやつらもいろんなキノコと関連がある模様?

・DitomyiidaeのSymmerus属、MycetophilidaeのGnoristinaeのいくつかの属(Boletinaなど)、Mycetophilinae
→糸は利用せず、主に子実体の表面で生活。粘液を分泌してシェルターを作る。(MycetophilinaeのPhronia,Trichonta,Epicyptaなど)
→柔らかい木質の中で生活(Boletinaなど)
こやつらは主に菌糸を食している?

・KeroplatidaeのOrfeliini(Genus Orfelia,Platyura and Xenoplatytura)やMacrocerini(Genus Macrocera)、Mycomyinae(Genus Neoempheria)など
朽木やリター層上に主に生活。 ねばねばした糸を張り巡らせる。

この糸には他の無脊椎動物にとっては麻痺性の毒である模様。
肉食か。

・Mycetophilidaeの一部の分類群
ウサギやキツネなどが掘った穴の中
鳥の巣内(LeiinaeのDocosia/Leiaの一部)
洞穴の壁上(GnoristinaeのSpeolepta leptogaster Winnertzなど)
蘚苔類上(GnoristinaeのGnoriste、Boletina dubia Meigenなど)
特別な環境に住んでる子達。 あまり知られていない模様


◉成虫の主な活動時間帯は早朝、夕方あたりの模様?

⭐️参考文献
Fungal hosts of mycetophilids (Diptera: Sciaroidea excluding Sciaridae): a review
(Jakovlev 2012)

2019年10月18日金曜日

Allactoneura sp.

20190922 とある県のとある駅のホームで3個体採集した。
すべて♀かもしれない...。

ネットで簡単に調べてみるだけでGenus Allactoneuraの仲間の可能性が高いとはわかったが、これで終わりにしたら細かい特徴が何もわからないので だめです。

旧北区のマニュアルの検索表を用いた結果、
・翅の幅が広い
・複眼の後方から剛毛(bristle)が生えている
・盾板(scutum)や腹部(abdomen)の毛が倒れている
・翅のR脈(Radial vein)に剛毛(setae)が密に生えている
・脛脚(tibial)に生えている剛毛(setae)がきれいに並んでいない
・単眼(Ocelli)が複眼から離れている

などの特徴から、Allactoneura sp.ということがわかった。
これだけだと大雑把すぎる気がするのでまた追記します

Allactoneuraの詳しい何か

①Allactoneuraは現在何種世界で記録されているのか
1−1現在Allactoneuraは
・A.argentosquamosa (Enderlein, 1910) (from Seychelles)
記載文献
The Percy Sladen Trust Expedition to the Indial Ocean in 1905. V. Diptera, Mycetophilidae (1910)

・A.cincta de Meijere,1907 (from Java)
記載文献
Studien über südostasiatische Dipteren. I (1907)

・A.neocaledonica Matile, 1993 (from New Caledonia)
記載文献
Dipteres Mycetophiloidea de Nouvelle-Caledonie. 5. Mycetophilidae Leiinae et Manotinae (1993)

・A. obscurata (Walker, 1865) (from Salawati)
記載文献
Descriptions of some new species of Dipterous insects from the Island of Salwatty, near New Guinea (1865)

・A. papuensis Bechev, 1995 (from Irian Java)
記載文献
A. papuensis spec. nov. from New Guinea (Insecta: Diptera: Mycetophilidae) (1995)

・A. ussuriensis Zaitzev, 1981 (from Ussuri)
記載文献
Composition and systematic position of the genus Allactoneura de Meijeri (Diptera, Mycetophilidae)

・A. veiti Theobald, 1937 (from France)
記載文献
Les insectes fossiles des terrains Oligocénes de France (1937)

・A. akasakana (2005) (from Japan, Tokyo)
記載文献
Fungus gnats, lauxaniid and agromyzid flies (Diptera) of the Imperial Palace, the Akasaka Imperial Gardens and the Tokiwamatsu Imperial Villa, Tokyo. (2005)

の計8種が記録されている模様?
(by Fungus gnat online http://sciaroidea.info/taxonomy/42126) (2019/10/22 25:24閲覧)

1-2
一寸のハエにも五分の大和魂 改の過去ログにて
三枝氏によると、2008年の時点で
シノニムとされているのを除いたら
A.cincta de Meijere,
A.obscurata (Walker),
A.argenteosquamosa (Enderlein),
A.ussuriensis Zeitzev,
A.akasakana Sasakawa
の計6種が記録されていた模様?
http://diptera.jp/usr/local/bin/perl/dipbbs/joyful.cgi
(ワード検索にてAllactoneuraと入力すれば出てきます)

しかし、1-1に書いた種で、1-2に載っていない A.veltiやA.papuensisについては2008以前にはすでに記載されている。 うむむ、一体何が...?

それぞれの種についての特徴はまた後日調べるとす。
三枝氏が一部の種については掲示板にて詳しく記してくださっているのだが、自分で調べたいのである。

③各種の主な特徴

④日本に生息するA.akasakana Sasakawa について



全体

翅です 状態は悪いですが...。 

頭部と胸部

脚。 Setaeの生え方がきれいではないことがこの画像から
わか...るか...?

頭部前面。イケメン。

頭部横から。 複眼の後方からBristleが生えていること
がわか...るね!

単眼があるということを示したい画像

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